アジア原産の落葉樹で、日本では北海道を除いたほぼ全域で栽培されている果物です。1000以上とも言われるほど多くの品種が改良によって生み出されており、大きさや形など様々なものがあります。大きく分けて甘柿と渋柿に分類されており、渋柿を甘くなるよう手を加え食べるのは日本だけと言われるほど、柿と言えば世界をみても生食のできる甘柿が一般的です。柿は栄養価が高く、グルコースやβ–カロテン、ビタミンC、カリウムなどが含まれており、最も象徴的な成分がカキタンニン(柿渋)です。カキタンニンはビタミンPとも呼ばれたビタミン様物質と分子構造が類似しており、高血圧に効果があるといわれています。また、水溶性のうちは渋く、最初果実に含まれているカキタンニンはこの水溶性のもので、渋抜きなどの処理や実が熟すことで不溶性に変化すると渋みを感じず食べることができる。この不溶性に変化する際に褐斑(かっぱん)と呼ばれる柿を切った時に見られるゴマのような模様のタンニン細胞を作ります。二日酔いに効果があるといわれている通り、生の柿には血中のアルコール濃度を抑える実験結果が報告されています。日本では良く食べられている干し柿では、干すことでビタミンCが減少してしまうもののβ–カロテンの含有量が増加します。水分が蒸発した分、食物繊維とカロリーも凝縮されているので摂取量には気をつけなければいけません。他にも柿の多量摂取により、カキタンニンが凝固し胃や腸などに結石を作る場合がありますので注意が必要です。柿の葉にはビタミンCやフラボノイド、カキタンニンなど多くの栄養素を含んでおり、5月頃まだ柔らかい若葉を干し、茶葉として飲まれてきました。咳止めや血管の強化、花粉症にも効果があるとされています。